俺様ラーメン
俺様ラーメン
昔、神戸の有名洋菓子店に行き、そこで若いパティシエたちがオーナーパティシエに??咤されながらケーキを作っている……という現場に出くわし、
「どんなに美味しいと評判の店でも、店主が怒りながら食べ物を作っている店には行かない」
と決めた私。
当然、「怖い店主がいるラーメン店」には行けません。
日本人でラーメンが嫌いという人はあまりいませんが、一大ラーメンブームが日本を席巻した時期がありました。
日本各地にラーメン博物館なるものが出来ていたころです。
旨いラーメンを出すという評判の店はテレビ番組にこぞって取り上げられ、全国からお客さんが集まりました。噂のラーメンを求めて店の前に長い行列ができ、その行列が新たなお客さんを呼ぶ……という現象も起きました。
ラーメン店の店主というのは、なぜか職人肌の人が多いものです。
極上のスープ、それに見合う麺、「みんなが大好き」なラーメンであるからこそ、こだわりを持って作っている人が多いのも事実だと思います。
全国的に有名な店の中でも、「超有名」なラーメン店があり、テレビのラーメン特集番組の常連でした。
なぜ有名だったのかというと、ラーメンが旨いというよりは、店主が怖いということのほうが有名だったようです。
「俺が命を懸けて作った作品だ。黙って食え」
カウンター席のお客さんは鼻のあたまに汗をかきながら無言で麺をすすります。
「スープは一滴たりとも残すんじゃねえ」
そう言われて丼に残ったスープを全部飲み干します。
「どうだ。旨かっただろ」
ここで頷かなければ店主にぶん殴られそうです。
……こんなふうに威嚇されながら食べるラーメンはいったいどんな味がするのでしょう。
私だったら、行列に並んでお金を払ってまで食べたいと思いませんが。
時代は変わり、今は「小さい子ども連れでも気軽に入れる店」が繁盛しているようです。
格式ばったフランス料理じゃあるまいし、ラーメンくらい気軽に食べたいものですよね。
フォレスター 値引き祖父の庭
私はちょくちょく祖父母の家に来ます。
といっても今はもっぱら祖母の介護に帰ってくるのですが・・・。大学生時代は親元から離れた寂しさもあって「おばあちゃんに会いに来たよ~」と来ていました。
私はなぜかこの庭にいるとホッとするのです。
祖父母は家の側に畑を作っていました。そこをぐるっと塀がしてあって広い庭になっているのですが、昔からイトトンボやカタツムリ等がいて、私には恰好の遊び場でした。
今では私の子供たちがきて、あの頃の私のように庭で水遊びを楽しんでいます。
今、祖父が生きていたらまた昔のように「バーベキューを庭でしよう!」と言ってくれそうで、遺影を見ながら懐かしくなってしまいます。
私たち兄弟が幼かった頃はよくそうやって楽しんでいました。祖父に夏休みに通知表を見せるのが嫌でたまりませんでしたが、
あの頃聞かされていたお説教も、今では私が子供たちにするようになり私も親になったんだと実感しました。
祖父の庭は、いつでも野菜の香りにあふれる庭でした。たわわに実ったトマトやスイカをもぎたてを食べていたあの味は今だに忘れられません。
祖父のように上手になれたらな~と家庭菜園をしていますが、祖父の庭のようなとても良い土はそう簡単にできるものではないというのを痛感してばかりです。
祖父母の毎日の営みだったこの庭を見ていると、とても温かい気持ちになれるのです。時々、ここにきて畑の雑草をとったりしていると、縁側からひょっこり祖父が顔を出さないかと思えてしまいます。
祖父の庭で長らく楽しみにしていたものがあります。それはこの時期から大きくなっていくビワです。
毎年みかん箱いっぱいに送ってくれていたのが忘れられません。甘酸っぱい香りのビワが届くたび、田舎の祖父母を思いました。
祖父が亡くなってからは、ビワを取りにおいでと言われるようになり、倉庫の屋根に登って兄弟して取りにいくようになりました。
あの時のワクワク感はたまりませんでした。宝物を取りに探検に行くような気分です。
畑仕事は我慢強さが必要になります。作物が育ってくれるように我慢を重ねてようやく収穫の喜びを得ます。
祖父母は私に畑仕事の喜びを教えてくれました。祖父母の庭を見渡しながら、今度は私が引き継いでいけたらな・・・と思います。